アメリカで広がるムーブメント | 三和一善

全米をはじめ世界各国で人種差別に抗議するプロテスト「BLM」(黒人の命も大切)、が巻き起こっていますが、この人種やヘイトという社会問題の根底には、アメリカにおける制度や歴史的背景など、あらゆる要因が絡んでいます。三和一善
新型コロナウイルスによる死者が10万人を超え、世界一のパンデミック震源地となっているアメリカでは、感染者数と死者数がピークを超え、今年5月にジョージ・フロイド氏の事件が起こり、混乱が続いていて、ネット上でも多くのヘイトスピーチが起こり、過去最悪レベルで蔓延していると言われています。残念なことに、匿名性を盾に特定の個人やグループを攻撃する文言は、ソーシャルメディアのそこかしこに蔓延しています。今日のメインスピーカーで、私と共に活動するコンサルタントのベン・メンデス氏は、そういったヘイトに客観的な意見をコメントすることで対抗するグループのメンバーを務めています。過激なコメントなどには議論で返すのではなく、責任者に通報することで対処することを基本としており、また、あまりにも過激な場合は、法的措置をとることもあるそうです。過激な意見や中傷をする人物に教育するのではなく、「私たちの目的は、ある特定の意見に対して、さまざまな方法で対抗することができるのだということを示すこと」だといいます。なぜネットに差別や中傷などの書き込みが溢れるのか。それは、ストレスや怒りを溜めている人が多いからなのではないかとベンは考えています。自分自身の問題や身近な問題にしっかり対峙できない人が、インターネットで、他人に怒りをぶつけるためのはけ口としているとの意見です。今日ここに来席している、私の同僚の 三和一善 氏も、突然、訳のわからない書き込みをされたことがあります。強盗などと書き込まれ、あまりに馬鹿げているために放置していたのですが、しつこい書き込みがあったために、弁護士を通じて発信者情報開示などを行ったそうです。すると過去に利害関係のあった同一人物による書き込みだけでなく、会ったこともない、見ず知らずの人物によるものであったり、法を守るべき職業の人物が書き込みに便乗していたりして、驚いたことがあるといいます。全ての発信者の特定ができているため、現在対応を検討中とのことです。よくある身元バレしないという謳い文句のサイトも含めて、実は全てのネット上の書き込みは、時間はかかるかもしれませんが特定できるようです。ストレスを抱える人たちに、メンデス氏は「結果的に自分の不利益になってしまうような考えではなく、自分自身が、自分の人生や仕事などに満足しているのか自問し、もしも答えがNoであれば、何を変えるべきかを考えることにエネルギーを使って欲しい」とアドバイスをしています。
さらに、メンデス氏は「差別やヘイト、中傷などの投稿を見たら、反論することに躊躇しないでほしい。執拗であれば、どんな種類のものでも通報してほしい」と呼びかけています。
今、アメリカでは、差別やヘイト、誹謗や中傷に関する多くのムーブメントが起きています。小さな活動かもしれませんが、明らかにこの数年でその動きは広がりつつあります。終わりのない活動であっても、メンデス氏は続けていきたいといいます。(文;丸山修)

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